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松の葉の香りと花の服-San Cristobal de las Casas, Mexico

サンクリストバル・デ・ラスカサスの近郊には、先住民の村が数多くある。

朝は宿で砂糖を入れなくてもほんのりと甘いマヤコーヒーとトルティージャをいただいてから、バスで20分ほど行ったところにあるサンファン・チャムラというツォツィル系の先住民村を訪ねる。日曜日には朝から夕方まで市がたっているという。

男性は白いシャツの上に純毛の黒や白の外套をはおり、女性は刺繍入りのブラウスにニットをはおり、
羊毛でできた分厚い黒いスカートを身にまとい、カラフルな布を腰に巻きつけている。
市場では野菜や果物、羊毛や日常雑貨が売られている。

村の人々は伝承宗教とキリスト教が融合したものを信仰しているのだが、
村の中心にある教会は外の賑やかな様子から一転して、
薄暗く多数のキャンドルが置かれている。
オレンジや花、つぼの絵が描かれたグラスに入ったキャンドルに火が灯されている。

真っ白な石の床には松の葉が敷き詰められ、教会内はお香の香りがたちこめている。
家族や一人の男性、女性がそれぞれひざまずき、あるいは草の上に座り、祈りを捧げている。

Santiago, San Lucos, San Marcos, San Nicolesの像の前で熱心に祈りを捧げているおばあさんと
その後ろに座っていた家族と共に、祈りを捧げた。
すると祈りに使っていたコカコーラとragosだと書いてくれた強い酒をグラスに入れて勧めてくれた。
コカコーラやragosと共に祈り続けるおばあさんの後ろで
お母さんは赤ちゃんの口に無理矢理にコーラを含ませ、
子どもたちは遊んでいる。
この閉じられた教会は、どこまでも神聖な場所だった。

元気な男の子たちが働いていた屋台で軽くタコスを食べてから、
タクシーで、近くのシナカンタンという村を訪ねる。
ここも町の中心に教会があり、それを取り囲むように人々が腰をかけ、
話をしたりしている。
女性も男性も地方の花をモチーフにした上着を着ている。

7人兄弟だという兄弟も教会の横に座っていた。
お姉さんたちは名前をMargaritaやCatolinaといったが、
学校には行っていないのだという。
弟たちの面倒をみているのだろうか。

tzotzil語を話すが、スペイン語もできると言った。
tzotzil語では、ありがとうを「コラワル」、こんにちはを「メリオテ」、
さようならを「チバット」と言うのだと言った。
途中、教会の前で野次馬も含む騒ぎが起きた時も、
兄弟たちは動じずに穏やかに時間を過ごしていた。


小さな集会場では花がたくさん供えられた部屋があり、そこに
町の人々が集まり出した。
奥の台所では10人ほどの女性がタコスを作っている最中だった。
どうぞと渡された揚げたてのトルティージャは、
シンプルなお家の味、だった。

町はずれの教会を訪ねてたりしていたらすっかり日が暮れたので、
乗合タクシーでサンクリストバルに戻り、昨日と同じNormitaに行く。
今日はDOS EQUISビールとチョリソーの入ったQueso fundidoと
ワカモレをいただく。
Normitaの家族はいつまでも優しい味で
わたしたちをあたたかく迎えてくれた。