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最後の晩餐と、肉。 – Buenos Aires, Argentina

アフリカについて、いろいろな噂を聞く。アルゼンチンでは主に脅しに使われている銃だが、アフリカでは実際に撃たれてしまうとか、ヨハネスブルグの治安の悪さに関する話も絶えない。アフリカの店では、どれくらい商品が揃っているのだろう。

そんな不安を抱えたつつ、いつものパンの盛り合わせにミルクコーヒーをとった後、買い出しに出かけることにする。

宿の裏のインターネットカフェに入って航空券のEチケットを印刷した後、サン・テルモ地区を歩く。

今日はイースター連休の中の聖木曜日でもあり、多くの店が閉まっている。それでも宿の近くのパン屋には列ができ、パイ屋では女性客が店の女性と会話を交わしていて、カフェのテラスでは食事を楽しむ人々がいる。

バスに乗って5月広場前にあるカテドラルを再度訪ねる。カテドラル前では19時から始まるミサの準備などで白い服を着た神父が慌ただしくしている。

19時になると、ろうそくや聖書、杖を手にした、白い服を着た神父が列を成して煙をあげながら、一度カテドラルから退場し、続いて軍服を着た護衛兵が退場する。そしてそのまま神父が再度入口から入場してきて、ミサが始まる。

今日、聖木曜日はイエス・キリストが亡くなる前日に使徒たちと最後の晩餐を行ったことを記念する日であるそうで、ミサも最後の晩餐についてを中心に行われている。

カテドラルには大勢の人々で席が埋まっている。

外に出てみると、明るく輝く月の下、大統領府カサ・ロサーダは蛍光ピンクに、広場の中心にそびえる5月の塔は、蛍光の青色にぎらぎらとイルミネーションが施されている。

その後もフロリダ通りのMUSIMUNDOや郊外のやや大きなスーパー、DISCOで買い出しを済ませてから、夕食をとりに行く。

今日はアルゼンチンらしい肉料理を食べに、ラバージェ通りにあるレストラン、La Estanciaへ行く。店先で、ガウチョ姿の男性がぶ厚い肉を焼いている。

名物の、肉の塩焼き盛り合わせのパリジャーダを2人前、注文する。子豚のレチョン、子山羊、ローストリブ、鶏肉、牛肉のmatambre、チョリソがたっぷりと鉄の皿に乗せられてくる。それに、パンの盛り合わせとエンパナーダ、バターに、ビネガーソースのチミチュリが添えられる。ドリンクは、メンドーサ産のESTANCIA MENDOZAをオーダーする。

ローストリブから始め、チョリソ、子山羊、子豚のレチョンと続け、気休めに比較的あっさりとした鶏肉の後、ローストリブと牛肉のmatambreといこうかと思ったが、限界だった。

肉の塊はどれもジューシーで柔らかく、旨みがあって美味しいのだが、積極的に攻めてくる。お腹がぽんぽこりんだ。

アルゼンチン風に23時ころから食事を始めたが、同じころに隣のテーブルではほっそりとしたきれいな身なりの女性たちが4名入店し、奥さま会のようなものを開き始める。休日の夜、肉の塊の盛り合わせをオーダーし、ワインを片手に話を始めるのである。

アルゼンチン人は、ほんとうに22時か23時ころから夕食をとっている。そして昼食と夕食の間にパンなどの間食をするのである。

24時半ころに店を出て、散歩がてらに7月9日大通りにそびえるオベリスコと、世界第二の大きさで、世界三大劇場の一つとされるコロン劇場に立ち寄る。

お洒落な街で、肉とワインですっかり満たされた身体を抱えて、バスに乗って宿へ戻ることにする。