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クルーガーには、ビッグファイブがいる。 – Kruger National Park / Nelspruit, South Africa

動物が活発に動くのは日が暮れてからと夜明けだということで、キャンプ場の門の開く朝6時をめがけて、キャンプ場のみなが起きだす。

湖沿いには朝日に照らされたバファローがのんびりと座っている。虹がうっすらと空に浮かんでいる。

SkukuzaからLower Sabieへ向かい、さらにTshokwaneへのサバンナをひたすら走っていると、前から来たレンジャーの男性が車を停めるよう合図をする。そして「ひょうが800mほど先にいる。まだいるかもしれない」と教えてくれた。

急いで車を走らせると、道のわきにひょうがゆたりゆたりと歩いていた。するりと草むらに入り、静かにこちらをじっと見る。牙をむいた口をやや開けている。しばらく向き合った後、ひょうは身体をひるがえして、茂みの中へと消えていった。

ひょうは夜行性で用心深いというから、今この時間に現れたことに感謝するばかりである。

背の高いきりんが、道をゆったりと歩いていく。首のところに傷のある、昨日見たきりんで、今日も首に変わらず、鳥をくっつけている。

象やサイ、しまうま、いのししが朝日を浴びている。かばは変わらず、ぽってりと寝そべっている。

パンにチーズペーストをぬってほおばったり、キャンプ場で買ったチョコレートバニラのクッキーをかじりながら、更にゲームドライブを進める。今日は、ビッグ・ファイブの最後の動物、ライオンを、見たい。

ライオンは夕暮れや夜明けに行動をするので、昼に見られることは稀だといい、半ば諦めかけていたころ、前方に車が数台集まっているのが見える。

寄ってみると、メスライオンが、いた。木陰で座っている。顔をわずかにこちらに向けた後、そのうちにぺたりと横になる。昼の間はしばらくこのまま動かないのだろう。

そのすぐ後にカメがよたよたと道を渡っていく。大物ぞろいの動物公園で、小さなカメはなんだか申し訳なさそうだ。「わたしなんか、こんなところにいる身分じゃないんですけどね、ほんとすみません。」
カメだって立派な動物だ。堂々としていればよいのである。

たくさんの象が水浴びをしに、川へと歩みよっていく。それを見るために数台の車が道に停まる。そうすると、なにごとだと更に車が停まる。そして互いに何が見えるのかという情報交換の段になり、象がいるのだと伝え合う。人によっては「象か」とがっかりして肩をすくめて先へ進む人もいる。それくらい、ここでは象がメジャーな動物なのである。

インパラの群れが道を横切っていく。そのうちに、大きな音がして、一斉にインパラが逃げていく。車なんて恐れることなく、車道を軽快に逃げていく。

最後にSkukuzaに戻り、川沿いで昼食を食べる。パンにチーズ、それににんじんをかじる。蜂がぶんぶんと周りを飛んでいく。

そこからNumbiゲートに向かってまっすぐな道を走り、帰路につく。

クルーガー動物公園を出ると、牛がのそりのそりと歩いている。丘には木々の合間に石造りの家が点々としている。家は比較的新しい。

無事に車を返し終え、タクシーに乗って宿へと向かう。ナビを貸してくれた男性職員も偶然遭遇し、礼を伝える。

夜は、スパイシーな野菜煮込みチャカラカに、たっぷりと玉葱のみじん切りを加えて、煮込む。酸味とスパイスと甘味がほどよい具合だ。ごまパンを火で焼いてチーズを添え、コクのあるBlack Labelのビールを合わせる。それからミルクコーヒーにクッキーをつまみながら、夜を迎える。