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ライオンのあくび – Nairobi / Masai Mara National Reserve, Kenya

今日から2泊3日でマサイ・マラ国立保護区にサファリに出かける。南アフリカのクルーガーに続いて2度目になる。

8時に宿からサファリカーに乗り込む。ナイロビは朝から人が街を歩いている。

こうしてナイロビを見てみると、大都会だ。地方にある土でできた壁に藁ぶきをのせている家を考えれば、コンクリート・ジャングルのこの場所に、仕事を求めて多くの人が集まるというのは自然なことなのかもしれない。

その建物を過ぎると、やがて錆びたトタンでできた家が立ち並び、郊外の家々を過ぎると、緑豊かな地域へと入っていく。

イスラエルからモザンビークまで9,600kmを連ねる「The Great Rift Valley」、大地溝帯に到着する。地球の溝ともいわれるその広大な谷にゆらりと光が揺らいでいる。山沿いにその谷を眺め、やがてその谷に下っていく。

昼食は、マサイ族も多いという商業の街、ナロックのレストランでいただく。鶏肉の煮込みにレンズ豆、キャベツ炒め、それにパスタ、ライス、チャパティがビュッフェ形式でふるまわれる。

昼食を終え、ガイド兼運転手のマイケルさんの運転するトヨタ・ハイエースのサファリカーで、再びマサイ・マラに向けて出発をする。辺りでは牛や羊、山羊が飼われ、チェックの布を身体に巻いたマサイ族の人々がそれを追う。

そのうちに大雨がざあざあと降り出して、道をふさぐように濁流が荒々しく流れており、バンはストップする。しばらく川のようになった水位が下がるまで、車を降りて待つ。

その地域はマサイ族の住む地域で、車を降りると周りの子どもたちが集まってきた。鮮やかな布を身体に巻いた子どももいれば、洋服を着ている子どもたちもいる。

学校は先週から休みに入っているという。家ではマサイ語を話すといい、ありがとうは「アシェ」というのだと教わる。

食べものは、ウガリや米、チャパティ、それに牛肉や山羊の肉を食べるという。鶏肉はあまり食べず、魚は今まで食べたことがないと言った。飼っている乳牛には、名前がついているのだという。

やがて雨は小降りになり、濁流は落ち着いていく。舗装されていない道を、マイケルさんは、バンの後部をときに滑らせながら、あるいは時にひどく車体を傾けながら進んでいく。川を横切ったりするものだから、ハイエースは泥んこだ。

マサイ族の人々は、雨の泥道を気にするようすもなく、やはり牛や山羊、羊を追い、頭に木材を抱えて歩いていく。

16時前には宿泊先となるManyattaキャンプに到着し、マンゴージュースで迎えられ、ミルクコーヒーもいただいて一息ついてから、まもなく夕方のゲーム・ドライブ、サファリに出かける。

南アフリカにあるクルーガー国立公園は茂みが多かったので、その陰にいる動物を探していく格好だったけれど、ここマサイ・マラ国立保護区は茂みも低く、広大なサバンナが広がっている。

Oloolaimutiaゲートから入って早々、ヌーやしまうまやらインパラやらバファローが草原に佇んでいる。見やすいのも甚だしい。

そして、今回はガイドのマイケルさんがその肉食的直観で動物を探してくれるものだから、なんともお気楽なものである。

クルーガーの舗装された道とは異なり、マサイ・マラの道は泥道で、車同士がぶつかったり、あるいは泥沼にはまっているトラックなどがいる。クルーガーの洗練された雰囲気と異なり、元祖サファリとしてのワイルドさが、ここにはある。

若い雄ライオンが二頭草むらに寝そべっている。一頭はまだ眠りについていて、一頭は今起きたばかりのようすで、大きなあくびを何度もしている。そして、手で顔をごしごしとこすったりする仕草は、いかにもネコ科らしい。

ガゼルにハイエナがじっと近づいていく。

ジャッカルやトピ、カンムリヅルがこちらをきょとりと見ている。

マサイキリンや象の群れがのそりのそりと歩いていく。

すれ違うサファリ・カーには、お金持ちふうインド人がなぜか多くいる。

今回の宿はそれぞれ一つのテントをあてがわれる。大きなテントには、中に蚊帳のついたベッドがしつらわれ、奥にはお手洗いとお湯の出るシャワーまでついている、贅沢テントである。電気も夜の22時まではついている。

夜は、キャンプ場の食堂でいただく。ミートソーススパゲティに、にんじんといんげん、ポテトにキャベツ炒め、パンとスープのビュッフェ、デザートにはすいかがついてくる。

それをマサイ族の人々がサービスをしてくれる。

テントの外では鳥や獣の声が遠くのほうでする。