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アディスアベバの、スーダンとエジプト – Addis Ababa, Ethiopia

今日は、エジプトビザを引き取り、スーダンビザを申請したい。

アディスアベバでスーダンビザを申請するにはエジプトビザが必要書類の一つであるものの、エジプトビザの引き取り時間が午後の15時から16時。スーダンビザの申請はいちおう午前中。

そこで、午前中に用意できる必要書類だけをもって、スーダン大使館を訪ねてみることにする。もしかしたら、その書類だけで、まずは手続きを進めてくれるかもしれない。午後に受け取るエジプトビザはあとからまたスーダン大使館に持っていけばよい。

繁華街のピアッサという地区にある写真店で、ビザ申請に必要な写真を撮る。

アディスアベバには、FujifilmやKodakといった看板を掲げた写真店が、数えきれないほどに存在する。

写真店の奥には、大層な撮影スペースがあり、白いカーテンがひかれ、素敵ソファと大きなライトセットが備え付けられている。そのソファに腰掛けると、若いお兄さんがデジカメを手にぱしゃぱしゃと2枚ほど写真を撮る。

それで10分ほど待てば、証明写真ができあがる仕組みである。
しかも、悪くない仕上がりなのである。

写真を待つ間、1963年創業で名の知られたトモカ・コーヒーでコーヒーを飲みにいく。古びた看板を掲げた店は、コーヒーの香りで満たされている。

スタンドで新聞を読みながらコーヒーを飲む地元男性客で混雑している。渋い顔をした人たちも、たいていたっぷりと砂糖を入れて飲む。

コーヒーをオーダーし、奥のコーヒーメーカーの前で待つ。初老の男性が、ライオンの絵が大きく描かれた壁の前で、コーヒーを淹れてくれる。苦くて濃いアラビカコーヒーに、周りをならってたっぷりと砂糖を入れて飲む。

店にはバルザックの「When you drink a cup of coffee, ideas come in marching like an army」という言葉が掲げられている。

乗り合いバスでメキシコ・スクエアに行き、スーダン大使館まで歩く。ビザ申請書類には、一般的な項目に加えて、宗教や、血液型を記入する欄がある。血液型はそれぞれの型がプラス、マイナスまで分けられている。

細かい記入事項があるわりに、くわしく確認されることもなく、書類は受け取られた。あとは、午後にまたエジプト・ビザとパスポートを持ってくればよい。

道ばたで売られていた揚げドーナツ、ボンボリーノをほおばりながら、再び乗り合いバスに乗る。そして、牛肉のたたき、クットフォーを食べに、専門店であるヨハネス・クットフォーまで行く。

このクットフォーは、エチオピア人でもその衛生状態を気にして、強いアルコールを飲みながら食べて消毒する、と言う人もいる。

でも、店で、生でも大丈夫でしょうかと尋ねると「新鮮なお肉を使っていますので、問題ありません。お勧めは生ですよ」と、答えが返ってくる。

にせバナナから作ったパン、コチョをかりっとトーストしたものと、トーストをしていないもっちりとしたコチョ、食パンやインジェラが並べられて運ばれる。

それからにせバナナの葉のうえに生肉、さらにカッテージ・チーズのアイブ、エチオピア・キャベツをゆでてみじん切りしたゴーマンとアイブ、それにゴーマンがのせられてくる。

店内にはお香の香りで満たされている。伝統的な家屋を模したレストランは洒落ていて、価格設定も高い。地元のレストランでは男性客ばかりを見るのがほとんどだが、この店には、女性客も食事に来ている。そしてみな一様にきれいな服を着ている。

皿にはスプーンが添えられていたが、インジェラを食べるときにはスプーンを使わずに手で肉とアイブやゴーマンをつかみとるのがエチオピア流の食べ方なんです、と隣の女性客が手本をみせる。スプーンは、そのほかのコチョやパンに肉などをのせるときに使うんです、と言った。

肉はジューシーで重みがあり、それにピリリとスパイシーだ。それをコチョやパン、トーストにのせて口にいれる。酒粕のようなアイブやゴーマンが、ほどよい口直しになる。

最後には、コーヒーにエチオピア・バターを混ぜたものを運んでくれる。最初、肉の辛さでその味さえ分からないものだったものの、じょじょに苦みのあるコーヒーにとろっとしたバターが風味を加えていることに気づいていく。

それにしても、最後にはとろりとしたコーヒーがカップの底につくほど、苦い。伝統の味だというそのコーヒーには、砂糖は添えられない。

食べきれないほどいただいた後、近くの売店で、エチオピアで飲まれている炭酸水Amboに林檎の風味を加えたボトルを買って、喉をうるおす。

そこから再び乗り合いバスを乗り継ぎ、エジプト大使館でビザを受け取りに行く。この大使館の女性も、柔らかい笑みを浮かべ、きちんとした仕事をする女性で、わたしたちのことを覚えていてくれる。

無事に受け取ったエジプトビザを手に、再びスーダン大使館に戻る。

アディスアベバのスーダン大使館の人たちは、見事に気さくで優しさにあふれている。エジプト大使館は、ビザの申請から受け取りまで細かく決まりがあるものの、スーダン大使館の場合は、なにやらよく決まっていないようなふんいきなのである。

表の看板にはビザの申請は、12時半までとあるが、こうして午後にもその門が開けられ、書類を受け取ってくれたりする。

ビザの受け取りも、明日の午前中にできあがるといった担当者もいれば、明日の午後15時以降にならないとできない、という担当者もいる。

とにかく、明日中には受け取れるようだ。

陽気なスーダン人の男性職員は、家族もエチオピアに連れてきているけれど、スーダンの全てが恋しいのだと言った。人も違う、食べものも、気候も違う。

スーダンについて話をするその男性はとてもうれしそうだ。そのうちに、周りの職員もわいわいと話に交じってスーダンの食事についても盛り上がり始める。

テレビからは、アラビア語の字幕が流れている。

こうして、今日はアディスアベバをあちらこちらと乗り合いバスに乗って移動する。

昼の暑い日差しの下、中央分離帯に寝そべる人々がいれば、顔がただれた男性や、手足の曲がった人、頭にかびを生やして地面に顔をこすりつける男性、汚れた服を着た若い女性などが物ごいをしている。

一方で、街のあちらこちらに工事中の建物があり、ヨハネス・クットフォーの周りでも、近代的な高層ビルにパソコン関連店が入り、サングラスをかけたマネキンがきれいな服を着ている。

街のあちらこちらに、エチオピア鉄道会社の看板がたてられ、アディスアベバの鉄道建設プロジェクトの路線図が描かれている。看板の左側には、エチオピア鉄道会社、そして、右側には、「中国中鉄」と大きくうたわれている。

小中学校からは、生徒たちが制服を着て下校をしてきて、友だちとおしゃべりに夢中になっている。地方で子どもたちが口を揃えて「ハロー・マニー」「ハロー・ワンブル(1 Birr)」と要求してきたような風景は、ここには、ない。

マスカル広場に面したスクエア・ガーデンで、オレンジとパイナップルのファンタを飲み、近くのHadiaスーパーマーケットで買いものをする。

髪のトリートメントを探し求めたものの、ある程度品ぞろえの揃っていたその店で、シャンプーとコンディショナーが2in1になっているものばかりだった。そこで、米国製だという天然のコンディショナーと書かれたボトルを買ってみる。

夜は、宿で買ってきたヨーグルトに大麦などを煎ったコロを混ぜていただく。エチオピアでは、朝にヨーグルトにスパイスをかけて食べたりするのだという。

コンディショナーは、なにやらオイリーに過ぎた。