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つかの間のピクニック – Bishkek, Kyrgyzstan

今朝もぶ厚くて丸いパンにいちごジャムとバター、それにリプトンの緑茶をあわせていただく。

昨日はカザフスタンの大統領もキルギスタンに来ていて、大使館が忙しく、閉まっていたので、今朝再度カザフスタンのビザを取得しに大使館に行く。

ここ3日休みだったという大使館前は人ごみでごったがえし、ビザ申請者で混乱している。申請用紙さえ取るに行くのに長蛇の列を並ばないといけない。

扉がひと時開いては数人入り、またじっと待つ。申請者の間で自主的に仕切りはじめた女性もいて、多くの人がその女性に従う。それでも中には、そのルールをやぶろうとする人がいて、周りの人々がそれを抑制する。

シングルエントリービザが60ドル、ダブルエントリーが90ドル、マルチプルエントリーになると200ドルと表示がしてある。続いて、「日本とトルコの国籍保有者、そして16歳以下の子どもは、あらゆるビザ取得の料金は無料」とある。

待つこと2時間ほど。業務終了時間の12時きっかりで、もう閉館だと追い払われることも覚悟していたのに、ゆるゆると業務を続けてくれる。そして、あれほどのカオスぶりがうそだったのかのように、定刻の12時ころには多くの人が諦めて帰り、数人だけが残っていた。こうして、12時を過ぎて、とたんにがらんとなった大使館で、カザフスタンのビザの申請を済ませた。ここの警備だって、今までの大使館と比べると、どうにもゆるい。

申請を終えると、友だちと弟が車に迎えに来てくれ、ビシュケクから30キロほど離れたアラ・アルチャ自然公園に向かう。いちごヨーグルトのパックを飲み、ドーナツをほおばる。

到着した海抜1300メートルという山の入口は肌寒いくらいで、パーカーをはおる。久しぶりに空気が澄んでいて、ひんやりとしていて、思いきり吸いこむ。ビシュケクに秋の香りをかすかに感じる。

山小屋は、先がとがっていて、冬は寒いのだろうと想像する。木には、白い布がくくりつけられている。

てくてくと山を歩き始めると、ほどなくして、お昼を食べようということになる。持ってきた厚い布を石の上に置いて、食べものを広げる。チキン一羽をそのまま薄い皮で巻いて揚げたもの、パンや焼き菓子、それにきゅうりといちごをヨーグルトと共に食べる。

途中ぱらぱらと雨が降ってきて、寒いということになる。

食べ終わって歩き始めようといったところで、弟くんが、その日気がのらずに断った結婚式の参加者たちが、わたしたちのいる山に来たのを発見する。弟くんはそんなわけですたこらと逃げなければならないことになった。

わたしたちも、先に進むことをやめて、弟くんと一緒に町へと帰ることにする。つかの間のビシュケク郊外ピクニックはこうして終わりを告げた。

山のふもとに設置されていたユルタでは、これから結婚式の宴会が行われると言う。キルギス人の新婦にフランス人の新郎だそうで、フランスからの招待客が集まっている。アコーディオンが軽快な音楽を流し、歌がのせられる。

夜は、家でパンやきゅうり、すいかにお茶などをほおばっていると、中国で洋服を買ってカザフスタンで売っている従兄弟さんが酔っ払った友だちを連れて帰って来た。二人はウルムチで共に中国語を習っていたという。

facebookやロシアや旧ソ連圏で流行っているソーシャルネットワークのOdnoklassnikiのサイトにアップしてある写真などを見せてくれる。

Jamesonのウイスキーにペプシを注いでぐびぐびといく。アメリカも日本も大好きだ、NARUTO、東芝、と友だちは繰り返し、嬉しそうにきゃきゃとはしゃぎながら、夜は更けていく。

これからイスク・クル湖に行くと言って酔っ払いながら嵐のように来て、嵐のように去って行った。

かつて、北京で知り合ったキルギス人の友人が、現在アフガニスタンのカブールで働いていることを知る。壁の中に守られて、インド人やエジプト人たちと働いているのだという。