2011年11月
サンクリストバル・デ・ラスカサスの近郊には、先住民の村が数多くある。
朝は宿で砂糖を入れなくてもほんのりと甘いマヤコーヒーとトルティージャをいただいてから、バスで20分ほど行ったところにあるサンファン・チャムラというツォツィル系の先住民村を訪ねる。日曜日には朝から夕方まで市がたっているという。
男性は白いシャツの上に純毛の黒や白の外套をはおり、女性は刺繍入りのブラウスにニットをはおり、
羊毛でできた分厚い黒いスカートを身にまとい、カラフルな布を腰に巻きつけている。
市場では野菜や果物、羊毛や日常雑貨が売られている。
村の人々は伝承宗教とキリスト教が融合したものを信仰しているのだが、
村の中心にある教会は外の賑やかな様子から一転して、
薄暗く多数のキャンドルが置かれている。
オレンジや花、つぼの絵が描かれたグラスに入ったキャンドルに火が灯されている。
真っ白な石の床には松の葉が敷き詰められ、教会内はお香の香りがたちこめている。
家族や一人の男性、女性がそれぞれひざまずき、あるいは草の上に座り、祈りを捧げている。
Santiago, San Lucos, San Marcos, San Nicolesの像の前で熱心に祈りを捧げているおばあさんと
その後ろに座っていた家族と共に、祈りを捧げた。
すると祈りに使っていたコカコーラとragosだと書いてくれた強い酒をグラスに入れて勧めてくれた。
コカコーラやragosと共に祈り続けるおばあさんの後ろで
お母さんは赤ちゃんの口に無理矢理にコーラを含ませ、
子どもたちは遊んでいる。
この閉じられた教会は、どこまでも神聖な場所だった。
元気な男の子たちが働いていた屋台で軽くタコスを食べてから、
タクシーで、近くのシナカンタンという村を訪ねる。
ここも町の中心に教会があり、それを取り囲むように人々が腰をかけ、
話をしたりしている。
女性も男性も地方の花をモチーフにした上着を着ている。
7人兄弟だという兄弟も教会の横に座っていた。
お姉さんたちは名前をMargaritaやCatolinaといったが、
学校には行っていないのだという。
弟たちの面倒をみているのだろうか。
tzotzil語を話すが、スペイン語もできると言った。
tzotzil語では、ありがとうを「コラワル」、こんにちはを「メリオテ」、
さようならを「チバット」と言うのだと言った。
途中、教会の前で野次馬も含む騒ぎが起きた時も、
兄弟たちは動じずに穏やかに時間を過ごしていた。
小さな集会場では花がたくさん供えられた部屋があり、そこに
町の人々が集まり出した。
奥の台所では10人ほどの女性がタコスを作っている最中だった。
どうぞと渡された揚げたてのトルティージャは、
シンプルなお家の味、だった。
町はずれの教会を訪ねてたりしていたらすっかり日が暮れたので、
乗合タクシーでサンクリストバルに戻り、昨日と同じNormitaに行く。
今日はDOS EQUISビールとチョリソーの入ったQueso fundidoと
ワカモレをいただく。
Normitaの家族はいつまでも優しい味で
わたしたちをあたたかく迎えてくれた。
2011/11/13 23:40 |
カテゴリー:Mexico
夜行バスで夜中に一度バスから降りたときに田舎道を大きなトラックが何台も通り過ぎている光景を見た以外は、眠り続けた。気づけば、7時半のサンクリストバル・デ・ラスカサス。
まずはピンクと白のマシュマロがクッキーにのったものにジャムをつける、というチープな味の美味しいお菓子を食べて、宿を探しに歩き出す。
高地にあって、お昼は空も青く日差しが強いが、朝晩は一気に冷え込む。
TATA INTIという宿に荷物を置いて、街に繰り出す。
カテドラルの中では、子どもたちは白い服装を着て、
神父がろうそくを手にした人々に語りかけている。
外で18時からのウェディングを待っていた家族と話をした。
二人の男の子は黒いスーツを着こみ、青いチェックのネクタイをしている。
一人はNINTENDO DSを手にしていて、こちらが日本人だと分かると、
NINTENDOを傾けて、こちらに見せてくれた。
男の子の家族やその友だちも美しく着飾っている。
そうしている内に、日本語が少し話せる男の子に話しかけられた。
朝は8時から14時まで旅行代理店で働き、
その後は街に出て様々な言語を勉強しているのだという。
彼はChiapa de Corzoという場所出身であり、
チアパスで話されているtzeltal, tzotzil, chol, zoque語の内の
zoque語が母国語なのだそう。
おばあさんやおじいさんと話すときはzoque語を話すのだという。
ご両親や友だちとの会話はスペイン語を使うのだが、
zoque語とは全く異なるものなのだと言った。
企業にもよるが、メキシコ人は8時から16時まで働くことが多く、
朝食は9時、10時頃に会社でとる人も少なくない。
昼食はおおよそ14時から15時ころにとるが、
貧しい家庭では15時から16時に昼食をとることで1日2食とし、
夜はミルクやチョコレートを食べるところもあるという。
チアパスの大学卒業率はおよそ60%程度だというが、
元来の大学数の不足から政府が援助を始めたのだそう。
月給はおよそ6000~7000ペソが平均だというが、
1日50ペソのみの人たちもいるという。
また、Poxという地域伝統のお酒を親が飲むために、
子どもに働かせている家庭もあると言った。
日も暮れたので、Normitaというレストランで
Dos EquisビールとQueso fundido con rajasをいただく。
タコスやトルティージャに、
小さな鍋でぐつぐつとチーズと野菜を煮込んだものをつけていただくのだが、日本人の口に合う母の味なのだった。
これは、必ず明日また来よう。
■Normita
Av. Benito Juarez, Esq. Dr, Felipe Flores No. 6 (CENTRO) San Cristobal de Las Casas
2011/11/12 23:05 |
カテゴリー:Mexico
人の目を気にしてばかりいると、何もできなくなってしまう。
目的を達成するためには、人の目を気にしないことが必要だ。
値段の交渉をするために、大声でわめきちらしたり。
写真を撮るために、人を押しのけたり、
強いチームをつくるために、大金を遣ったり。
でも、僕のような凡人は、人の目を気にせずにはいられない。
常に、自分がどう見られているか、
さらに海外にいるときには、日本人がどう見られているか、
意識してしまう。
僕のような凡人は、人の目を気にしながら、成長しなければならない。
逆に言うと、人の目を気にすることで、成長できる。
現在の自分が、周りからどう見られているのか、
将来の自分が、周りからどう見られるのか。
強く意識することで、自分というものがわかってくると、僕は思う。
2011/11/12 22:31 |
カテゴリー:Mexico
「ホテル・チョコレート」
そんなメルヘンワールド全開、心躍る名前のホテルが
オアハカには本当に、ある。
チョコレート屋さんが街に点在している。
バニラにモカ、シナモン、くるみ。
砂糖とカカオがそのまんま混ぜられたような自然の風味。ビターやシュガーフリーも置かれている。
ホテル・チョコレートは La Soledad社によって経営されていて、大手では、Mayordomo社のチョコレート店もよく見かける。
そして、チョコレートを使って作るカカオのモーレソースのかたまりも売られていたりする。
赤モーレ、黒モーレ。
オアハカはチーズも有名でモッツァレラによく似た優しい風味。
他にもMEZCALというリュウゼツランという植物を主な原料とする蒸留酒もよく見かける。
小さなイモムシが入っているものもある。
アルコール度数、約40%。
加えて、パンの元祖らしきザ・パンのパン屋さんも多数。
たまに人がパンの中に眠っているように見えることすら、ある。
こうして今日はアバストス市場、ベニート・フアレス市場、
ベインテ・デ・ノビエンブレ市場や民芸品市場とくるくる回る。
アバストス市場では、子ヤギの肉をコンソメでぐつぐつと煮込んだ
Consome de chivo surtidoをいただく。他のメキシコ人客に倣い、
備え付けのキャベツのみじん切りを入れながら、食べる。
アボガドやカブやたまねぎも付いていた。
優しい顔したたまねぎにも、そっとハラペーニョが潜んでいるので、注意が必要なのである。
民芸品市場をテクテクと歩いていたとき、
メキシコ人の若い女性が走って追いかけて来て
「日本人ですか」と尋ねられた。
そうですと答えると「旦那が日本語で歌を歌える人を探しているんです」と言う。
聞くところによると、旦那が来週金曜日オアハカ・コンベンション・センターのライブコンペでギターを弾くのだが、
肝心要の歌手がまだいないようなのだ。
歌は日本のVersaillesというバンドの「aito kanashimino nocturne(愛と哀しみのノクターン)」。
有名なのだと携帯にいれたその歌を聞かせてくれた。
ということで、オアハカで来週金曜日、日本語で歌を歌える人。
アマチュアでもちろん良いそうで、200人位が集まるライブだそうです。
Victor&Maricela夫妻が募集中。
その他にバッタの揚げ物も有名な懐深いオアハカも去る時間が近づいたので、
バス乗り場に向かう途中に、オアハカメインの観光地サントドミンゴ教会を訪問。
1575年から約100年かけてつくられた教会。
こうして夜21時にバスはオアハカを無事に出発した。
2011/11/11 23:54 |
カテゴリー:Mexico
今日は世界文化遺産にも登録されている中央アメリカ最古の遺跡、モンテ・アルバンに行くことにする。
バスに乗って約30分程の場所にあるが、昨日市場で買っておいたスモモに似たフルーツCivguelaをかじりながら道を歩いているときに声をかけられたAutobuses turisticosのバスに乗って行くことにした。
モンテ・アルバンはサポテコ人が山の頂上を平坦にして造られた。辺りを見渡すことのできるその場所は経済、防衛面で有利であり、以前は宗教儀式の場としてのみ利用されていたところが徐々に人々が集まってきて最盛期(500~750年)には人口は2万5000人にまで増加したという。
南のピラミッドの上に立つと、それを体感することになる。
山の上に巨大な遺跡が並び、周りにはオアハカ盆地が広がっていて、
家々が立ち並んでいる。
思いのほか、観光客も少なく、
北のピラミッドの上に広がる芝生でしばらくお昼寝をすることにした。
最盛期を迎えた後850年頃からモンテ・アルバンは次第に放棄され、
その後ミステコ人によって埋葬の場として利用されるようになった。
そんな歴史とハチの飛ぶ音に囲まれて、眠る。
昼寝を終えると、ドイツからの観光ツアー客が来ていた。
そういえば、ここオアハカはメキシコの中でも観光地として名高いのだと思うが、
世界中で増えていると思われた中国や韓国の旅行者をまだ見かけていない。
メキシコ・シティの宿では、昨年までは中国の観光客も多かったが今年は少ないと言っていた。
こうしてずいぶんとゆっくりした後、市内まで帰ってきて、
サンクリストバル・デ・ラスカサスまでのバスチケットを試行錯誤のうえ購入する。
オアハカ名物のモーレ料理をいただきに、お勧めをしてもらった
La Ollaレストランに入る。
卵を鶏肉で包み、モーレソースをかけてライスを盛った
Mole negro de fandangoをオーダーする。
ここも裕福な西洋人観光客が多いレストランであった。
オアハカにいれば夜に公園を横切ることもできるのだ。
2011/11/10 23:34 |
カテゴリー:Mexico
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