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時速抑制バス – Calama to Santiago, Chile

朝はタクシーに乗ってターミナルへ向かい、10時のバスでサンティアゴに向かうことにする。宿の前では、ベビーカーをひいた女性たちが歌を歌っている。日も出て明るいターミナルには、もうあの男性は、いない。

改めてサンティアゴ行きPullman社のバスに乗り込み、売店で買ったナッツの入ったチョコをつまむ。回ってきた用紙に氏名と電話番号、住所と行き先などを記入していく。

乾いた大地に、貨物列車が走っていく。やがて前方に海が見えてきて、バスは港町であるアントファガスタの町へ到着する。そこから左手は荒れた丘、右手には海が広がる道を南下していく。

海は低い岩にぶつかり、しぶきをあげる。海沿いにはリゾートホテルが並び、あちらこちらに車が停車し、テントが張られている。

しばらくバスは海沿いを走った後、また何も生えていない茶けた丘の連なる陸へと戻っていく。時折国旗や電灯などで飾られた十字架を道のわきに見るほかは、荒涼とした土地がただひたすらに続く。

昼食には、バスを降りたところの売店で焼かれていたチュラスコを買い求める。チリでは、おおぶりの牛肉が鉄板で焼かれ、チーズとともにパンに挟んで食べる。

「青年汽車」と書かれた中国製バスには、ところどころ中国語の注意書きが記されている。前方の電子掲示板には常に時速が表示されている。ほとんど時速90km前後を保っているが、時折100kmを越えると、車内にぴーぴーと電子音が鳴る。バスはするとそっとスピードを緩めてまた100km未満へともっていく。

黒地に赤い電子表示が流れる。「車内の手荷物の管理はお客さま自身の責任でお願いいたします。」

乾燥したアタカマ砂漠を縦断し、22時ころにはコピアポのターミナルに到着する。まだ汚れも目立たないバスでも、洗浄しに行くといって、15分ほどの休憩になる。ターミナルのわきの屋台で売られていたエンパナーダ・デ・ケソを買い求めてかじる。

黒い大きな犬たちが、周りでそれを狙っている。