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氷河の中の音 – El Calafate / Parque Nacional Los Glaciares (Glaciar Perito Moreno), Argentina

エル・カラファテの町の近くに、南極やグリーンランドに次ぐ氷河面積のあるロス・グラシアレス国立公園がある。世界遺産にも登録されていて、大きなものだけでも47の氷河がある。

バスで1時間ほどのペリト・モレノ氷河へ行くことにする。朝にバスターミナルのCAL TUR社のカウンターでチケットを購入し、バスに乗り込む。パンをかじりながら窓の外を眺めること1時間と少し、突然湖の上に60m近い高さの氷河が見えてくる。

表面は鋭くとがり、ところどころソーダのように青白く光り、亀裂が入っている箇所もある。氷河によって削られた岩石や土砂などが堆積したモレーンが、黒い筋になって斜めに模様を描いている。

はたから見ると、時折氷の塊が崩れ落ちるほかはずっしりとして動いていないように見えるものの、耳をすませば、氷河の中からとてつもなく大きな動く力を、音として感じ取る。

この氷河は、氷の氷結と融解のサイクルが短く、活発に動いているのだという。大きな氷河の内側から荒れた波のような音がするかと思えば、メキメキと大きな音がし、どこかでパーンと氷に亀裂が入った音がする。

風が強く吹けば、その音は、氷河の音をもかき消す。

時折氷塊が崩落すると、白いしぶきがあがり、やがて湖に波がたち、円を描いていく。太陽の光を浴びて明るく白く光を放つ氷河も、雲がかかれば、途端に冷たい灰色へと変わり、青白い光はよりその強さを増しているかのように見える。

昼食は、トゲのある低い木、カラファテの実のリキュールをクリームにたらしてコーヒーにのせたCafe Nativosとフランスパン、チョコレートビスケットを食べる。

氷河の前の湖には時折ボートが近づき、空には鳥が飛んでいく。大きな氷河の中に蓄積された時間と力を感じながら、冷たい風に吹かれる。

16時のバスでエル・カラファテの町へと戻れば、まだまだ日の入りまでは暖かい。町で一番大きいというスーパーマーケット、La Anonimaに入って食材を買う。

夕食はナポリタンのパスタにチーズ、ポテトサラダ、それにフランスパンを添えていただく。それにQuilmesビールをいただく。

やはりここの宿もあたたかい。パタゴニアはここでもまた快適な旅を提供している。