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砂漠の麺と寝台バス – Dun Huang / Lanzhou, China

朝、部屋の外に出てみるとまだひんやりとしていた。宿から畑を通り過ぎて大通りに出てバスをつかまえ街の中心へと向かう。砂山は朝日を浴び、紫の朝顔が咲いている。

敦煌で有名な驢肉黄麺は朝が早すぎてどの店もまだ麺をこねていたので、開いている一軒の店に入る。そして、玉葱やペッパー、羊肉の炒め物が幅の広いもっちりとした麺の上にのった新疆伴麺を注文し、どばどばとお酢をかけていただく。トマト味のスープによく合う。生のにんにくを本当は齧りたいところだ。

今日はこれから蘭州へと向かうバスに乗る。タクシーに乗ってターミナルまで行き、バスに飛び乗る。今回も寝台バスだ。カザフスタンからウルムチへ入ったときの寝台バスは靴を脱いで絨毯ばり、ベッドが2列並んでいるバスだったが、今回は板張りで靴で上がり、ベッドは3列並んでいる。そして、珍しく、乗客はその半分もいない。

時折棗を齧りながら進む。

乾いた土地の続く中、ところどころに緑の大地が現れる。遠くのほうには雪山が見える豊かな自然の中に、ブルドーザーが土を掘り起こし、建築中の高架がずらりと並び、ふもとにはテントが張られていたりする。その近くの線路に列車が通っていく。そして砂埃をあげてトラックが走っていく。そんな光景がずっと続く。

新疆名物の瓜を運ぶトラックもあれば、牛を運ぶトラックもある。
ごみの溜まるところもあれば、はるか向こうに白いぴかぴかの建物がそびえているところもある。

砂山には、清泉人参果は健康に良いとか、総合改革を深めて人口問題を解決しようといったことがでかでかと書かれていたりする。

時折停まる街には新しくて背の高い建物ばかりが並んでいる。それでも、古びた紺やグレーの服を着た人々が歩き、あるいは三輪バイクにのってトコトコと移動をしていたりする。トラックの荷台には日焼けをして頬の赤い人々が揺られていく。

夕方になるころ、バスは食事休憩となる。食べ過ぎがたたっているのか、昨日の飲み過ぎがたたっているのか、お腹の調子があまり良くないので、近くの商店で月餅を買い求めてほおばるだけにする。
子どもたちは熱心にテーブルゲームにいそしんでいる。

夕日にオレンジに色に照らされた畑が続いているかと思えば、ひょっこりと建設中の建物にクレーン車が見えてくる。

そのうちに日は沈み、バスの向かう先のほうに、オレンジ色をした月が浮かんでいるのが見え始めた。