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トイレとごみ箱の間から豪華食堂車へ – Lanzhou / Chengdu, China

朝に目覚めると、宝鶏で切り返しのあった列車は、逆方向に走っている。深い山間を列車は進み続ける。朝ごはんの時間は6時半から8時半、一時間ほど遅れて始まった朝ごはんサービスを「席無し」チケット保有者たちは食べていく。

わたしたちもソーセージやチョコレートのお菓子に棗をアニスティーと合わせてほおばる。

田舎のほうに行けば、昔ながらの畑の中に建つ石造りの家だって、見えてくる。いくつもの川を渡り、トンネルをくぐりながら、列車はがたりごとりと進んでいく。

わたしたちの知らないような駅にも、建設中のビルがあるかと思えば、古びた建物もまだ続く。

そのうちに、昨日から特別扱いで豪華食堂車に居座るわたしたちが、どうやら韓国人ではなく、日本人だということに添乗員たちは気付き始めたようだった。どこの国から来た?と入れ替わり立ち替わり聞かれる。今さら日本人だとも言えず、韓国人です、と言うしかない。

そのうち、昨日私たちを食堂車に導いてくれた添乗員女性も私たちが韓国人ではないことを既に悟ったようだった。それでも明るく変わらずに私たちを気遣い、声をかけてくる。

こうしてトイレとごみ箱の間に21時間立ちっぱなしという苦行だったはずの列車の移動が、豪華食堂車でゆったり過ごすという旅となって、14時に無事に成都駅にたどり着いた。有り難いこと、この上ない。

こうしてさほど疲れもなく大きな成都という街のの大きな成都駅に到着して、バスに乗り、目的の宿へ向かう。重い荷物を無事に部屋に置き、ご飯を食べに出る。

一歩路地を入れば、古びたマンションがずらりと建ち並んでいる。柳の木の下、カラフルな運動器具で身体を動かす人々、椅子に腰かけ、何をするでもなく、おしゃべりをする人々がいる。

一軒の四川料理屋、Pe Penxiang川菜館に入り、鶏肉とカシューナッツの炒め物、宮爆鶏肉に、ピータンとピーマンの涼菜、それにライスをオーダーする。ビールは他の都市のビールしか置いていなかったので、近くの商店で雪花ビールを買い求めてくる。

空芯菜、それにピリ辛の漬物をどうぞと持ってきてくれた。どうぞご遠慮なく、ご飯のおかわりもどんどん食べていってくださいね、とおかみさんも若い女の子も笑顔を見せる。最後には切り分けたスイカをどうぞといただく。

ここでは、国籍も聞かれない。