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反日の中の南京 – Nanjing / Beijing, China











朝は宿の近くの市場でビニール袋に入った豆乳と
行列のできた焼餅を買い込んでバスに乗り、
昨日上まで行けなかった孫文の陵墓、
中山陵に再度向かう。

総統府で一度バスを乗り換える。
辺りは戦争当時にはなかったであろう超高層ビルが
あちらこちらにそびえたっている。

孫文の眠る一番奥の祭堂までの長い参道は、
子供からおばあさん、おじいさんまで
大勢の観光客で賑わっている。

深々とおじぎをする者もいれば、
ピースサインをして写真撮影をする者もいれば、
携帯をいじっている者もいる。












階段の上からは、そこが緑に囲まれていることを改めて知ることになる。












そこから、地下鉄に乗って、侵華日軍南京大虐殺遇難同胞記念館に向かう。最近の反日運動の中で、この記念館に向かうのは、なかなか心穏やかというわけにはいかない。

駅を出てすぐ、赤い旗に黄色や白で反日のメッセージを書いた旗を持つ人々が大勢集まっている。「釣魚島は中国固有の領土である」「小日本は死んでしまえ」「今後、日本製を買うのは止めよう」「祖国統一。釣魚島を守りぬくことが、中国民族を偉大な復興へと向かわせる。」












野田首相の顔写真の鼻には豚鼻が描かれ、その横には日の丸が書かれ、どちらにもバッテンが記されている。

集まっている多くが若者で、ワイワイとメッセージを呼びかける。殺気だった雰囲気はなく、公安も笑みをうかべながら、付き添っている。観客は、携帯電話のカメラでその様子を撮影している。ある子のカメラにはドラえもんのシールが貼られている。












記念館にぞくぞくと人が入っていく。

解説は日本語でも行われていた。
犠牲者総数は30万人。
「この世のものとは思われない大惨事」で「人間地獄」と化した様子を模型と写真、新聞記事や人形などを使って展示している。












日本軍に爆殺された市民、強姦された女性、略奪された財産、大規模な組織的な虐殺、元日本兵の証言、
日本軍に斬られてタバコをくわえさせられた中国人の首。












銃ち殺す、切り殺す、焼き殺す、溺死、生き埋め、毒ガス。
楽しみとしての殺人、細菌部隊によって殺された人々。

百人斬り”超記録”の新聞記事、戦後のこと。












建物を出ると、和平と書かれた像が太陽に照らされていた。












すっかり日が暮れつつある中、超高層ビルの合間を長江まで歩き、そのゆったりとした流れを眺める。
ぐっと暗くなった長江からタクシーで地下鉄の駅まで戻ると、
そこにはユニクロや、宮崎あおいさんを使ったオリンパスの広告が明るく大きく掲示されている。

中国に現存する最大の城門、中華門を訪ね、
繁華街である夫子廟、秦淮河がイルミネーションでかがやいているのを見ながら、最大の「科挙」の試験場だった場所を訪ねる。

夕食は、そのあたりの食堂に入り、鴨血粉絲湯と小龍包をオーダーする。そしてカフェに立ち寄り揚げパンを買い求め、23時48分発の北京南行きの列車に乗る。

いよいよ、北京だ。