Top > ブログ

2012年07月

トルコのカシュから一日ギリシャのメイス島へ – Kas, Turkey

この辺りの家族経営のペンションもたいてい屋上がテラスになっていて、海を望むことができる。朝の海を眺めながら、ビュッフェをいただく。家族経営のペンションといっても、その内容は見事で、チーズを数種類にトマト、きゅうり、ハム、コーンフレーク数種類にヨーグルト、レーズン、オリーブ、ゆで卵、パンにミルク、紅茶にコーヒー。そしてスイカにメロン、絞れるオレンジジュース。

そんな優雅な朝ごはんのあと、坂を下りた港にあるフェリー会社、Meis Ferry Lines社のオフィスまで向かう。ここカシュの近くにはギリシャ領のメイス島があるというので、訪ねてみることにする。昨日フェリーを予約したときにパスポートをフェリー会社に預けている。

フェリーがトルコのカシュを出るのが朝の10時、ギリシャのメイス島からは16時に戻りの便が出る。だいたいの人がカシュから同日に帰ってくる。パスポートは帰ってきたときに返却されるものだから、出国手続きもない。パスポートは預けっぱなしだ。

明るいスタッフにフェリーまで誘導されて、それに乗ってしまえば、すぐそこにギリシャである。

港からメイス島は見えている。海は澄み、伸びる錨は透けていて、泳ぐ魚は光を受けている。

海を眺める朝食と、お勧めされたビーチ – Fethiye / Kas, Turkey

トルコには家族で経営をしているようなペンションふうの宿がある。昨晩は、満室だけど屋上なら空いているよということなので、屋上の絨毯のしかれたスペースで休むことにする。夜はなかなかに涼しいので心地が良い。

朝起きて、宿の前に広がる海を眺めながら、朝食をいただく。いくつかのメニューの中から「伝統的なトルコの朝食」を選ぶ。フレッシュなトマトにきゅうり、目玉焼きやオリーブ、それにパンにバターに苺ジャム。そしてミルクコーヒーを合わせる。

フェティエの近郊には、幾人かのトルコ人に勧められたオリュデニズというビーチがある。フェティエのバス停からミニバンに乗って、40分ほど。遠くの深い青から徐々に淡く透明に変わっていくビーチには、ボートが何隻か停まり、泳ぐ人々がいる。水は澄み、暑い夏の地中海にちょうど良い冷たさだ。

海にはぷかりぷかりとオレンジが浮かんでいて、それを空に放りなげてみる。波がそれほど高くないものだから、オレンジは何度も空を飛ぶ。

バスに乗って街中に戻り、列ができていたバーガーキングのソフトクリームを買い求める。エンターテイメント抜群の伸びるアイスより、こういった普通のソフトクリームのほうが美味しいものだ。

宿に戻って支度をした後、バスターミナルまで再びバスに乗り、ターミナルからBati Antalya社カシュ行きのバスに乗り換える。ほぼ満席で、空いていた運転席横の助手席にお邪魔することにする。隣の車掌は、まだ中学生くらいだろう男の子だ。

まっすぐに伸びるアスファルトの道を進むこと1時間ほど、ビニールハウスや畑を過ぎ、やがて海岸に出て海沿いに進みながらカシュに到着する。ハイシーズンの今は、カシュの宿も満室のところが多く、昨日に続いて屋上のベッドに泊まらせてもらうことにする。

夕食は宿の近く、Turkmen Sofrasiレストランと書かれた落ち着いた雰囲気のロカンタでいただくことにする。いんげん豆のトマト煮込みターゼ・ファスリエやナスの煮込み、ムサカ、それに松の実の入ったピラフをオーダーする。トマトとチリ、生のたまねぎやエキメッキが添えられてくる。最後にはどうぞとチャイが運ばれてきた。

ひっそりとした橙色の灯のともった路地にはゴミ収集所の周りに猫が集まっている。宿からは海が見え、明るい月の下、丘に並ぶ家にはライトがついている。屋上の寝床は、徐々に風が強まっていく。床には、はりつけられた青い目玉のお守り、ナザール・ボンジュウがぎょろりとしている。

白い石灰の棚 – Pamukkale / Fethiye, Turkey

朝に目覚めると、なだらかな丘に畑の広がる景色が見える。笑顔の添乗員お兄さんたちが、ネスカフェコーヒーにパンケーキ、それにチョコレートの入ったクッキーといった朝食を運んでくれる。

9時半を過ぎたころにデニズリのバスターミナルに到着する。そこからミニバスに乗りついで、パムッカレの石灰棚と、紀元前2世紀ころの都市遺跡、ヒエラポリスに向かう。

北の門から、ヒエラポリスの墓地ネクロポリスに入る。1000以上の墓が並んでいて、崩れているものもあるものの、茶色い石が黒ずんだ中に装飾や文字が残る墓や、家の形をした墓もある。

先へ進むと、教会として使われていたこともあるというアーチをつなげた北大浴場やドミティアン門に北ビザンツ門と続いていく。細かな装飾がほどこされた石柱などがごろりところがっている。

世界遺産の一部だというのに、暑い炎天下の中、人気がほとんどない。大理石を使っていた部分が目立つように損傷少なくぽつりと残されていたりする。

空にはパラグライダーが舞い、花の香りがして、蜂の音がする。

1万5000人を収容したという円形劇場では、音響が素晴らしいと、人々が座りこんでぽんぽんと手をたたく。

セルジューク朝に滅ばされるローマ、ビザンツ時代まで街は栄えていたという。

アポロ神殿跡を通り過ぎると、賑やかなパムッカレ温泉に出る。ここはギリシャ・ローマ時代の遺跡の上で温泉につかれるところで、世界各地からやってきた旅行者たちが水着で温泉をプールのように楽しんでいる。セクシーなポーズで決めて写真を撮るカップルもいる。さきほどの過去に残された遺跡とうってかわって、リゾート地が突然に繰り広げられている。

そこから靴を脱いで、石灰棚に裸足で踏み歩く。石灰の成分を含んだお湯が結晶化して白く雪のような景色を生み出し、その中に淡く澄んだ湯をひたひたと浮かべた棚が並んでいる。白と淡く褐色になった部分がでこぼこを作りながら模様を生みだし、淡いピンク色の花が柔らかな色を添える。

人々はそこに水着を着て湯の中に入ってみたりする。湯に脚を浸してくるりとかき混ぜてみると、底にたまった石灰がぷくりと浮かんで広がり、水は白く濁る。

そんな雪のような中で、純白のウェディングドレスを着た新婦と黒の蝶ネクタイをしめた新郎が写真撮影に臨んでいる。

照りつける太陽に暑い町は、どこか日本の田舎のような風情がある。一軒のひなびた商店に立ち寄りSchweppesのビターレモンを飲みながら、ミニバスに乗ってデニズリのバスターミナルに向かう。そして定刻の16時半にGolhisar Cavdar社のバスは次の目的地フェティエに向けて出発した。

昨晩のバスに比べればやや小ぶりだが、ここにもにこやかお兄さん添乗員がいる。発車して2分も経てば、手を消毒するためのアルコールが配られ、その後に水のパックが配られる。

牛や羊の放牧された緑豊かな大地にいくつかのモスク、赤いとんがり屋根の家々を通り過ぎる。右手に太陽が沈んでいき、左手にうっすら月が浮かぶ。21時前には地中海に面したフェティエに到着した。

ちょうど泊まりたいと思っていた宿、Ideal Pensionの客引きがターミナルにいたので、そのままバンに乗りこんで、宿へと向かう。

夕食はやや高級感あふれるロカンタ、Sarayレストランに入る。白いんげん豆の煮込み、クル・ファスルエやぶどうの葉で具を巻いたヤプラック・ドルマス、それに松の実の入ったピラウにレンズ豆のスープ、メルジメッキ・チョルパスをオーダーすると、エキメッキやサラダ、ペッパーにレモンがついてきた。

ここでも、街のいたるところで放映されているユーロ決勝をテレビで流していて、街は盛り上がりをみせた。海は街のイルミネーションで輝いている。