Top > ブログ

観れなかったトルコ相撲をカフェで観戦する。 – Istanbul, Turkey

トルコの相撲、ヤール・ギュレシは世界無形遺産にも登録されている。その大会がエディルネの町の北側でちょうど今の時期に開催されているというので、行ってみようということになった。

現地の人でもこの大会を知らない人がいたり、マッチョな身体にオイルを塗って戦うのを見たいのは女の子だけだという人がいたり、そうかと思えば、その大会を見に国内から人々が集まり、この時期エディルネでは宿泊先を確保するのも難しくて路上で寝る人もいると言われたり。

とにもかくにも朝早くに起きてトラムとメトロを乗り継いで、エディルネ行きのバスが発車するターミナル、エセンレル・オトガルまで向かう。

するとバス会社の人は、コンピューターで確認もせずに言う。
「エディルネ行きはいっぱいです。」

今の時期のトルコは観光ハイシーズンで、特にイスタンブール発のバスは、取りづらい。そのうえ、週末。そのうえ、マッチョお兄さんたちの大会。いっぱいになるのも無理はない。

2時間後に発車するというバス会社も見つけたものの今日は夜行バスでカッパドキアに行く便をおさえてしまっている。マッチョお兄さんたちの戦いぶりを見たかったけれど、諦めるしかない。

とぼとぼと来た道を帰り、宿の近くの常に混雑している店、Semazenビュッフェ&レストランに入り、食事をとることにする。レタスにトマト、にんじんにフライドポテト、それに削ぎ落した回転牛肉をパンにはさんだYarim Et Donerをオーダーする。

それからまた近くのカフェ、FAROSに移動して、のんびりとすることにする。店内は涼しく、バーカウンターも横にあり、白いテーブルクロスが清潔にかけられたテーブルがセンスよく並んでいる。のりのり音楽が控えめにかけられている。

なぜか黒いアバヤをまとった女性客が多くいる。カジュアルな服を着た夫と子どもに囲まれて一人黒い布を全身に覆い、目だけを出した女性たち。食事をするときには、口元にあてられた長くて黒い布を下からぺろりとはがし、食べものを口に運ぶ。

illyのカップに淹れられた濃厚なマキアートに砂糖をたっぷりと入れてすすりながら、wifiをつなぐ。Youtubeでギュレシの試合を観戦する。草むらの上で筋肉むきむきの身体にオイルがたっぷりと塗られて褐色の肌はてかっている。その身体をぶつけ合い、戦うのである。

あつい。

18時半になったところで、カッパドキア行きSuha社のバスチケットを予約した代理店の前からシャトルバスに乗り込んで、バスターミナルへと向かう。ターミナルのSuha社カウンターの2階には待ち合い用のサロンがあって、紅茶や水が提供されている。

このバスもメルセデス・ベンツ製で各席の後ろにモニターがついている。ポチとボタンを押してみると、てかてかのてっぷりとしたおじさんが二人ギュレシを交わしているコメディー番組が流れている。

ブルーモスクを通り、アスランテペ・スタジアムを過ぎて行く。街のあちらこちらにミナレットがたち、イケアがそばにある。橋を渡り、高層ビル群を抜ける。Media Marktといった派手な建物を通り過ぎ、マリオットやカリフールを眺めつつ、バスは進んでいく。

やはりイスタンブールは大きいもので、なかなか街を抜けない。街角に小さな花火があがった。

いくつかターミナルに寄りながら乗客を増やしていき、22時ころにようやく乗客が出そろった。そしてコーヒーが配られる。