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郵便物とビザとイスラム教とバザールとごはん。 – Istanbul, Turkey

朝はパンにチョコレートペーストをぬって、軽くいただく。

土曜日は郵便局が閉まるということで今日のうちに郵便物を出しにいくことにして、趣のある佇まいの中央郵便局に向かう。国際郵便を扱う中央郵便局といえども、英語ができる職員はほとんどいない。

そんなわけでいくつかの窓口をいったりきたりしながら、なんとか無事に荷物を送り終える。

予想以上に時間のかかった配送作業で、12時までに到着しなければならないウズベキスタン領事館までの時間がぎりぎりとなった。1週間待ったウズベキスタンビザが今日から受け取れるということで、窓口の開いている12時までに領事館へ行きたい。

急いでスィルケジ駅からトラムに乗り込み、カバタシュ駅へ、そこからバスに乗り継いで、Istinyeにある領事館へ向かう。街中は渋滞し、バスはなかなかに進まなかったものの、海岸沿いの道に到着し、日本庭園を過ぎるころにはスムーズに動き出した。

ウズベキスタンビザの受け取りには3時間待つこともあると聞いていて、格闘さえ予想していた。

Istinyeのバス停に到着し、急いで階段を駆け上がり、ぜいぜいと息をきらしながら11時45分に無事に領事館に到着する。

受付の男性に鉄の扉を開けてもらい、中に入りビザセクションの窓口に向かう。ビザを受け取りに来たと窓の中にいた担当職員に伝えると、ウズベキスタンへの入国予定日を尋ねられる。その間、口癖のように「はやく、はやく。日本人はいつも遅い。はやく、はやく。」と急かされる。入国予定日を告げて、ビザ代金を支払うと、担当職員はまた窓をぴしゃりと閉める。

1分ほど経ったところで、扉ががちゃりと開き、ビザの貼られたパスポートが差し出され、笑顔で手を振られた。こうしてウズベキスタンビザはものの1分も経たないうちに無事に取り終えた。

領事館のあるIstinyeには、ボートが数隻停泊し、海は澄んで泳ぐ魚が見えるほどだ。そこからイスタンブールの街の中心まで、明るい海沿いをバスは走っていく。海辺には洒落たカフェやレストランなどが続いて、途切れることがない。

昼食に、チェンべルリタシュ駅からほど近い、黒海風ピデの専門店だというギョズデに入り、ラフマジュンを注文する。挽肉がのった、かりっと香ばしい生地に、添えられたレタスを刻んだのを入れてレモンを絞り、くるりと巻いて大口をあけてほおばる。ついでに、飲むヨーグルト、アイランをぐびりと飲む。

食後に近くのバーガーキングでアイスクリームを買い求めてほおばりながら、グランドバザールに向かう。バザールというと、混沌とした活気あふれるようすを思い浮かべるが、そこは思いのほか新しく整然としていた。天井には青や赤のかわいらしい模様が描かれていたり、あるいは煉瓦をしきつめたドーム式になっているが、店は新しく、店員もしつこいというほどのものではない。

貴金属やアクセサリー、布、ランプや水たばこ、影絵芝居カラジョズの人形、青い目のお守り、ナザール・ボンジュウや骨董品などが所狭しと並べられている。

キュルクチュレル門から傾いたキオスク、オールドバザールを通って老舗カフェと見て、オリュチュレル門からバザールを抜ける。

金角湾を見下ろす高台に建つ、1557年完成のスュレイマニエ・ジャーミーを訪ねる。ドームやミナーレを、神学校や霊廟、寺子屋、病院、かつての救貧院や隊商宿が囲み、近くには付属のハマムもある。ちょうど礼拝の時間で、人々は脇に並ぶ水道に一斉に腰かけ、手足を清める。そして、細かな装飾の施されたドームの下で礼拝を行う。その声にはこぶしもビブラートもきいている。

そこからエジプシャンバザールの近くを抜けて歩いていく。この辺りまでやってくると、ようやく活気溢れる市民の市場、といった具合になってくる。海辺や新市街、グランバザールの洗練されたイスタンブールとはまた違う表情をもっていた。

さらにその活気あるエリアを抜けて、ヌルオスマスエ通りに入ると、今度は一転して高級陶器、高級貴金属店といったきらきらエリアに突入し、そしてそこにはスターバックス。そのうちにアヤソフィアやブルーモスクが見えてくる。

1559年に建てられ、1989年に国の基金によって教育機関としての活動を始めたジャフェルアー神学校に出向く。中庭のテラスを囲むように、小さな部屋が並んでいる。

ここでエブル(マーブリング)、イスラム書道や陶芸、楽器の演奏などの教室も行われているが、今は夏休み中でテラスのカフェはのんびりとしている。それでも職員がどうぞ中に入ってくださいと部屋の扉を開けてくれた。イスラム書道は、アラビア文字と絵画を融合させたふうのつくりのものが多い。陶芸の部屋には手ろくろがあり、赤や緑、青や黄色、緑、白や黒に銀といった釉薬、そばには電気窯が置かれている。

夕暮れの金角湾のガラタ橋からは、先ほど訪ねたスュレイマニエ・ジャーミーやトプカプ宮殿がよく見えた。やがて太陽は西のジャーミーのほうへと赤く色を変えながら沈んでいく。ガラタ橋では変わらずに人々が釣竿を垂らし、目の前のサバサンド屋形船はぐらりぐらりと揺れながら、サバを焼いている。そして空にはたくさんのカモメが飛んでいる。

夜は、再びスィルケジ駅にほど近いロカンタでいただくことにする。ロカンタ、バルカンで、鶏肉とトマトの煮込み、タウック・ソテに、キョフテとジャガイモの煮込み、イズミル・キョフテをオーダーする。エキメッキがついてきて、手持ちの水にレモンを絞って入れる。昼は大賑わいのロカンタエリアも、夜はあまり客がいない。ちらりほらりと客が入っているだけだ。