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イランの長い入国審査 – Border with Armenia, Iran

イラン側イミグレーションの窓口は、さきほどのアルメニアとはうって変わってにこやかだ。そして一度窓口で名前を尋ねられる。

その後バスの荷物置き場に荷物を取りに戻り、一人ずつ再度呼ばれて、父親の名前、職業、旅行先、次の目的国、イランに友だちはいるのか、結婚をしているのか、を尋ねられる。そこから別室に連れて行かれ、指紋を取られる。まずは右手の一本ずつ、左手の一本ずつ、そして右手の親指に残りの指、左手の親指に残りの指。機械の反応がなかなかに優れず、とても時間がかかる。

壁にホメイニ師の肖像画が飾られている。

厳しい対応にも関わらず、担当職員はにこやかに父親の名前を紙に書くように言い、そのあと年齢を尋ねられ、結婚しているのか、子どもはいるのか、さらには触ってもいいですかと言い出す。無事に指紋採取を終え、荷物をX線に通せばようやく入国手続きが終わる。

そうこうしているうちに、1時間ほどが経っていた。バスの他のイラン人乗客たちは、じっとわたしたち日本人に対する長時間の手続きを待ってくれている。わたしたちが指紋をとられるのを待っているのだと伝えると、「政府がこんなふうでごめんなさいね」とバスの乗客たちは言う。そして女性は長袖を着て、髪を隠したほうが良いですよと言い加えた。

こうしてバスは30分の時差を超えて、21時半ころにようやく出発をした。青と赤の妖しげなライトを灯したバスで乗客たちは上機嫌に音楽をかけ、歌いだす。

真っ暗な山にはぽつりぽつりと灯りがついている。

夜中の1時ころ、バスは食堂で停車をし、多くの乗客がスープやヨーグルトなどの食事を取りはじめる。わたしたちもパンや林檎にスモモをかじる。食堂で、お祈りをする人もいる。

アルメニア-イラン国境情報

アルメニアのイェレバンから、イランのテヘランまで国際バスで抜けるルートです。

1.イェレバンのバスターミナルで切符を購入。乗車。
 (※朝10時発 所要24時間、AMD 22,000-.)
2.17時頃アルメニア側国境に到着。荷物を全部降ろして、X線検査に通す。パスポートを提出。
 (※窓口が一つしかないので、時間がかかりました。)
3.バスが待っていてくれるので、乗ってイラン側国境へ。
4.18時頃イラン側国境に到着。荷物を全部降ろして、X線検査に通す。パスポートを提出。
5.日本人のみ、別室へ通される。
6.別室にて、簡単な質問及びコンピュータにて指紋を採取。
7.さらに入国審査にて簡単な質問を受け、答えた後、スタンプが押される。
 (※日本人のみ、ものすごく時間がかかります。1時間ほどかかってしまい、他の乗客を待たせてしまいました。
  イラン側に入った途端、バスの中で音楽が流れ、楽しげな雰囲気になりました。)
8.テヘランの西バスターミナルに到着。

◎両替
 イラン側の建物に両替屋があります。
 AMD 1000 = IRL 2820 で両替しました。

アルメニアからイランへの道 – Yerevan / Border with Iran, Armenia

宿泊しているセルゲイさんの家にはWifiがないので、滞在者は近くのエレバン駅にとんでいるWifiを使いに行くというのが定番になる。今朝もお気に入りのパン屋で昨日と同じハチャプリをオーダーして、それを商店で買ってきたフルーツジュースと合わせていただいた後、駅に出向いてインターネットをする。

セルゲイ家のリダさんはいつも柔らかい笑みを浮かべ、ささやかに気を配ってくれる。孫の男の子たちは元気いっぱいにいたずらもしでかす。おじいちゃんは無口で、よくソファに座ってぼんやりとテレビを眺めている。娘さんは、庭で料理をしたりと、働きものだ。

今日はこれからアルメニアを出て、国際バス、Vaspurakan International Transport社でイランのテヘランに向かう。バスが10時発というので、9時過ぎには宿を出て、ミニバスに乗り、ターミナルへと向かう。

定刻を15分ほど過ぎて発車したバスにはイランの人々もたくさん乗車している。Scania製のバスの横の座席は3列しかなく、ゆったりとしたつくりになっている。ぐねりぐねりと山道をバスは進み、気分の悪くなる乗客もいて、それぞれの座席に取り付けられたビニール袋が役に立つのである。

途中の休憩場所でアプリコットやミニリンゴ、それにスモモを買い求めて再びバスに乗る。休憩時間が長いものだから、みなのんびりと食事を楽しんでいる。朝に駅の近くで買っておいたパンやフルーツ、それに近くの座席のイラン人の男性からいただいた棗などをほおばる。

19時ころにはアルメニア側のイミグレーションに到着する。

大きな鞄をバスの荷物置き場から降ろして検査にかけるものの、全く見ていない。一つしかない窓口には行列ができていて、なかなかに進まない。ようやく順番がくれば、無愛想な担当職員が何も聞かずにぽんと出国スタンプを押した。

そして、停車しているバスに荷物をのせて乗り込む。荷物検査に持っていかずに座席の背にあった網に入れたままにしていたものはさっぱりと無くなっていた。各座席に取り付けられたビニール袋のごみも捨てられている。ほとんどの乗客はそのまま歩いてイラン側のイミグレーションに進むが、バスの運転手はわたしたちにはバスで連れて行くから待ちなさい、と言う。

ずいぶんと待った後、ようやくバスは動き出し、軍人がわたしたちのパスポートを確認する。1分も進んだところで、今度はイラン側の担当が乗車してきてパスポートを確認する。こうして川を渡れば、そこにはイランのイミグレーション・オフィスが待っている。